平成28年度企画展展示紹介 歴史資料コレクション
銃砲コレクション
当館が所蔵する銃は、主に箱館戦争時に使用されていたものと同型のもので、箱館戦争において実際に使用された銃はありません。箱館戦争では、旧式の火縄銃から最新の連発式スペンサー銃まで使用されました。
砲弾類は函館で発見されたもので、実際に軍艦から発射されたものなどです。箱館港の軍艦から発射された砲弾は、五稜郭にまでとどきました。
旧幕府脱走軍が新政府軍に引き渡した武器は、元込銃138、ピストル48、ミニエー銃など1600、長カノン砲9、その他大砲25とあります。旧幕府脱走軍の銃は、旧式のものが多かったようです。
陣羽織・軍服コレクション
当館が所蔵する陣羽織・軍服には、箱館戦争で着用していたものもあります。
箱館戦争では、銃と同様に衣服も過渡期にあり、陣羽織を着用した人、洋式軍服を着用した人がいました。銃を使用した戦闘が中心となり、笠も銃の操作がしやすいものへと変わりました
展示資料には、松前の戦いで戦死した、松前藩士田原音八(たはらおとはち)が戦死の際に着用していた陣羽織や、火消しの際に着用したと思われる火事装束があります。
洋式軍服は、箱館桔梗の戦闘で戦死した薩摩藩士恒吉休右衛門(つねよしきゆうえもん)が、戦死の際に着用していたものです。恒吉の資料は、懐旧館旧蔵資料です。
高松凌雲コレクション
高松凌雲(たかまつりよううん)コレクションは、十五代将軍徳川慶喜(とくがわよしのぶ)の担当医を務め、箱館戦争において病院長を務めた高松凌雲に関する資料です。
フランス製とイギリス製の外科用器具および顕微鏡は市の指定文化財です。コレクションの中には、仙台藩医の大槻(おおつき)盤渓(ばんけい)や、初代陸軍軍医総監を務めた松本良順(まつもとりようじゆん)の書、箱館戦争後に親交のあった薩摩藩士池田次郎兵衛(いけだじろべえ)から贈られた山水図、徳川慶喜から贈られた書などがあります。また、ヨーロッパ各地の視察で訪れたイタリアで贈呈された勲章や、医療活動の功績により授与された藍綬褒章などもあります。
新撰組コレクション
新撰組コレク新撰組コレクションは、新撰組隊士中島登(なかじまのぼり)の子孫から寄贈されたものです。
中島登は新撰組隊士ではあまり知られていませんが、現在の東京八王子市に生まれ、その後新撰組に入隊しましたが京都には行きませんでした。戊辰戦争では山梨での戦いに参戦し、その後東北各地を転戦し会津の戦いの後、箱館に渡りました。
コレクションの目玉は、共に戦った仲間達を描いた「戦友姿絵」です。また、中島没後一周忌に開催された、盆栽大会のポスターなどもあります。一周忌でこのような催しが開催されているので、地域の人との親交が伺えます。
錦絵・書翰コレクション
当館が所蔵する戊辰戦争・箱館戦争に関する錦絵は5点です。
錦絵の内容はフィクションなので、注意して見る必要があります。しかし、人物の配置などに当時の状況が反映されているものもあります。
書翰コレクションとは、旧幕府脱走軍や新政府軍の関係者が書いた手紙などです。まとまった書翰としては、「懐旧館旧蔵資料」の中にある薩摩藩士恒吉休右衛門に関するもの、日本側からイギリス領事館に出した書翰類が残る「旧イギリス領事館関係資料」などがあります。その他、旧幕府脱走軍関係者の間でやりとりされた書翰類があります。